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【NODATE mug】小椋木工所 木地師・小椋 大祐/長谷川木工所 木地師・長谷川 利之

会津塗りの特徴のひとつとして完全分業制が挙げられます。ろくろを挽いて木工に携わる木地師(きじし)。木地師がつくった木工に漆を塗る塗師(ぬし)。塗師が仕上げた漆器に蒔絵を施す蒔絵師(まきえし)。それぞれがそれぞれの道を極めることで、上質な会津塗りができあがります。
今回は木地師の小椋さんと長谷川さんに、それぞれの技を見せてもらいました。

2020.11.20

小椋姓は木地師の末裔の証です

小椋さん

良質な木を求めて自由に山に入り、木を切り出し、ろくろを挽いて木地をつくる。木がなくなったら次の山に移動する。昔、私たち木地師は流浪の民のような生活を送っていました。

ろくろの先にお椀の荒型を取り付けて削っていく

「小椋」や「大蔵」は木地師に与えられた姓で、この苗字が入山許可証のようなものだったと言います。
時代が変わり木地師たちが一か所に定住しはじめると、ろくろを水車の力で動かし、最終的にはろくろが電動化されます。流浪時代にはできなかった工夫がそこで新たに生まれたんです。

木は動き、器の形は狂う

木は湿気を吸うと膨張し、乾燥すると収縮します。木の中の水分量が減るとこの動きが少なくなりますが、それでもゼロにはなりません。古民家の柱ですらまだ動いていると言います。だから生木を乾燥させ、さらに大雑把な椀形に挽いた「荒形(あらがた)」という状態にして、さらに時間をかけて木の中の水分量を適切な数値にする必要があるんです。

工房内には荒型が積まれ、その出番を待つ

「少しぐらいの歪みなら」と木地師が手を抜くと、塗師が困ります。それが積もり重なると最終的にお客様への迷惑になる。完全分業制はそれぞれの責任が大きいからこそ、それぞれが道を極めなくてはいけないんです。

目と感覚を駆使してろくろを挽く

私は「縦木取り」という方法で木地をつくっています。縦木取りの器は、強度があり歪みや収縮に強いのが特徴です。設計図になる「型」を頼りに、自分で叩いてつくった刃物で、目と感覚を駆使してろくろを挽いていく。ゼロからイチをつくりだす最高の仕事だと自負しています。

小椋さんは工房内の一室で自ら刃物を鍛造している

木地師は、いつだって自分がつくる木地が一番だと思っています。でも同じ形の器が大量に必要になるときは、長谷川さんの技術には敵わない。私の技は石川県加賀市に訓練学校があるので途絶えることはありませんが、長谷川さんの技は会津独自の技。この技術は絶対に失くしちゃいけないと思っています。

仕事の一番のモチベーションは「仕事」だと語る小椋さんの「ろくろ技」

横木取りでつくる会津塗り

長谷川さん

私は小椋さんと違って「横木取り」で木地をつくります。縦木取りは輪切りした丸太から器と取ります。逆にスライスした板からつくるのが横木取り。割れや欠けが少ないのが特徴で、一本の木からたくさんの木取りができます。つまり大量生産できるわけです。

横木取りは大量生産以外に、美しい木目が出るという特徴もある

会津漆器はお殿様のためのものでなく、庶民がつかう道具でした。だから、会津では必然的に横木取りが主流になったんです。

横木取りされた荒型が積まれる

鈴木式ろくろが刻む形

私の工房にある「鈴木式ろくろ」は明治時代に会津で開発されたものです。ガイドになる鉄製の「すり型」にカンナを沿わせることで、同じ形の木地を正確に大量につくることができます。

すり型の凹凸にカンナを沿わせるとお椀の形がつくられていく

例えば、天皇陛下から配られる盃。何万個、何十万個とつくる必要があるわけですが、これらの形が一つひとつ異なるというのはよくない。そんな時に鈴木式ろくろが活躍したわけです。

ピョンピョンと、ろくろの上を飛んで作業する

今では「大量生産」というと安価の代名詞のように捉えられがちですが、昔はより正確な形が刻まれるという理由でむしろ高価なものだったぐらいなんです。時代が変わると価値も変わる。会津塗もNODATE mugを通してその価値が変わっていくとうれしいですね。

長谷川工房では計2名の職人がろくろを回す

エピローグ

NODATE mugは縦木取りで月間300個生産されます。そして、コラボ企画などで別途木地が必要になると横木取りで追加生産する、様々な木地師が総出で関わるプロダクトです。小椋さんの繊細かつ大胆なろくろ捌き。魔法のように木地が生まれていく長谷川さんの仕事ぶり。どちらもろくろに向かう鋭い職人の眼光が印象的でした。

NODATE mug

カラー:透き漆(茶) 、墨黒 、朱
容量:約250ml
サイズ:φ8cm×H8.7cm
重量:約60g
価格:5,600円(税込)

URL:http://nodate.jp/

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